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2008年10月30日 (木)

コマ割り

なんか妙に日記のアクセスが多いと思ったら
自分のコマ割りについてブログで紹介してくれた人が。
http://d.hatena.ne.jp/karimikarimi/20081029/1225209679

長年コマ割りには色々こだわって描いてきたんで
こういうところに気付いてくれる人がいるとウレシイですよねえ。
ありがとうございます。

漫画のコマ割りって、映像作品でいうなら
カメラワークやカット割り、編集や更にカメラアングルの一部
にまでにあたる演出の重要な部分ですし、こだわりがいがあります。
更に漫画は出版物でもあるわけですから、
誌面に於けるバランス、エディトリアルデザインという要素も強い。

まあこういう考え方をするようになったのは、
学生時代自主映画撮ってたりとか
漫画家になる前からデザインの仕事やってたり
とかいう過去が関係してると思うんですが。

ただそうでなくとも、コマ割りって漫画の漫画たる部分。
ストーリーにしろキャラクターにしろ、小説や映画等
他のメディアでも普通に存在してるものですし、
絵という意味では絵画やイラストもあります。
コマ割りって技法は漫画にしか存在しないんですよね。
つまり極端な云い方をすれば
漫画ならではの魅力=コマ割りなんじゃないかと。

ただ映画のカメラワークと同じで、あまりコマ割りばかり凝りすぎると
読者がそちらに眼を囚われすぎてしまうというのも事実。
凝りすぎてそっちばかりの作品になってしまったら
それこそ手段と目的が入れ替わってしまいますし。
この間出た『マは小悪魔のマ』『大人の手がまだ触れない』の2冊は
かたやコメディ、かたや比較的長尺モノだったんで
あまりそういうコマ割りの実験はしてないんですよね。

よく実験作品とかいいますが、実験って
その先には実用が待ってるもんじゃないですか。
『小悪魔』や『大人』で使ってるコマ割りの技法は、
色々試した結果、実用にまで至った方法論。
今自分の中ではデフォルトのコマ割りですね。

上の記事で取り上げてもらってる『少女の異常な愛情』は
短編集ってコトで色々実験させてもらいました。
ただ残念なことにこの『~異常な愛情』はもう絶版(´・ω・`)
今まだ手に入る本でしたら、『空想少女綺譚』とか
『思春期の終り』とかの短編集で色々やってますんで
よろしかったらそちらもどぞ~(=゚ω゚)ノ(とさりげなく宣伝w)

というか今まさに松文館で描かせてもらってるTLのシリーズは
こういうコマ割り実験のいい場として色々試させてもらってます。
来春くらいには単行本になると思いますんで
よろしかったらそちらもどぞ~(=゚ω゚)ノ(とまたさりげなく宣伝w)

ところで、自分のそのデフォルトのコマ割りですが、
よくその余白の取り方とか少女漫画の影響と
云われるコトが多いんですが、実は違うんですね。
なにしろ読者としては殆ど少女漫画読んでこなかったもんで。

むしろアレはデザイナー時代に思い付いた方法論で、
考え方としてはアルバムに写真を並べていくのに近いです。
視線のベクトルに沿ってコマを並べてって、細かい視線誘導は
構図やフキダシの位置で調整する、みたいな感じです。

自分がこうしてコマ割りにこだわるようになったのは
上記のように映画やデザインの影響もありますが、何といっても
幼少時に読んだ手塚治虫や石森章太郎が大きいですね。
『ジュン』まで行くと実験の要素が強すぎになっちゃいますが、
『火の鳥』や『009』辺りの、実験とエンターティメントの
バランスは今でも非常に参考になります。

今ほどコマ割りの方法論が確立されてなかった時代の
試行錯誤と野心の結果なんでしょうね。
特に手塚治虫は、現在の方法論の基礎を築いた人ですし、
文字通り、実験→実用を日々実践してたんでしょう。

この辺りに興味がある人は、夏目房之介さんの諸著作や
別冊宝島EX『漫画の読み方』なんかが参考になりますんで
読んでみると面白いかも?

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