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2008年5月20日 (火)

漫画の「ネーム」

外じゃなんか凄い豪雨なんですが。
昨日に引き続き漫画用語の話でも。

漫画を描く時、作画の前にまず作るのが「ネーム」。
どうしてあの雑に描いた漫画の設計図みたいなヤツのことを
「ネーム」って呼ぶんですかねえ?

今まで自分が付き合った編集さんの中には
コレのことを「ラフ」と呼ぶ人や「コンテ」と呼ぶ人もいました。
「ラフ」は判りやすいですよね。雑に描いてあるから「ラフ」。
「コンテ」は映画用語の「絵コンテ」から来てるんでしょう。

「コンテ」は元々映画用語、コンティニュティ(連続)の略で
映像のカットがどう連続するかをスタッフ達に
判らせる為に存在するもの。設計図みたいなもんですね。
漫画の場合でも作業の性格的には
この「コンテ」が一番近いニュアンスのような気がします。

ちなみに映画用語では「字コンテ」と「絵コンテ」がありますね。 
カット1「男Aの肩ナメ女Bの姿」
カット2「女Bのアップ、驚愕の表情」
みたいに字で書いてあるのが字コンテ。絵で描いてあれば絵コンテ。
絵コンテのことをストーリーボードと呼ぶ場合もありますな。

じゃあどうして漫画の場合はその絵コンテが「ネーム」?
ネーム。名前?

実は出版編集用語で「ネーム」とは文字とか文章のこと。
デジタル用語だったら「テキスト」が近いニュアンスですか。
アナログの入稿作業では、レイアウト用紙に合番号を振って
「ここにネーム(1)入ル」といった指定をします。

つまり漫画でもその作業があるワケですよね。
1コマ目のフキダシにはネーム(1)が入り、
2コマ目のフキダシにはネーム(2)が入る、みたいな。
まあ実際はそんなひとコマひとコマ細かくは指定しませんが。

フキダシの中の文字が「ネーム」なのに
どうして漫画の設計図も「ネーム」?

ここから先は自分の想像。

昔、まだコンテのことをネームと呼んでなかった時代にも
〆切を守らない漫画家はいたでしょう(笑)。
でもその時代は今のようにデータでやりとりなんかなく、
フキダシの中のネームは写植(それ以前は活字)で
いちいち組まなけりゃならなかったワケで。

今のようにキーボードでポンと打てばいいような時代とは違い、
アナログ時代はひと文字ひと文字、全部手で組んでたという
手間のかかる作業だったワケです。当然時間もかかる。
しかもその後原稿にその写植を貼る作業が待ってる。

〆切ギリギリで間に合わせるには、その時間のかかる
文字組だけでも先に進行しておきたいと考えた編集さん。
そういや先にもらってるコンテには台詞が書いてある!
とりあえずネーム(フキダシの中の文字)だけでも
先に写植屋さんに渡せるじゃん!(´▽`)ノ

それ以来その編集さんには完成原稿以前にもらえるコンテが
先に入稿できるネーム(文字)にしか見えなくなってきて、
いつしかコンテ=ネームという同一化現象が…。

つまり現在の「ネーム」という名称には
「〆切守れや(#゚Д゚)ゴルァ!!」という
編集の魂の叫びが込められてるんですね(笑)。

ナ ナンダッテー!!
 Ω ΩΩ

ちなみに自分のネームの形式は
B5を半分に折って見開き、1ページB6サイズで描いてます。
この小ささだと見開き単位での進行やバランス、めくりの効果が
俯瞰感覚で見渡すことが出来ますし。

更に文字が小さくなるので長台詞が書けない。
漫画の場合はなるべく会話シーンは簡潔にした方がいいので
一石二鳥ってワケですね。
その代わり絵は結構てきとーです(笑)。
まあ表情やポーズくらいは判るように描いてますが。

使ってる用紙は、デザイナー時代に出入りしてた某出版社から
かっぱら…いや、いただいてきたB5の原稿用紙の裏。
いわゆる「ペラ」(200字詰原稿用紙)というヤツですね。
これがシャーペンで描くのに実にいい筆当たりだし
薄いし丈夫だしで気に入ってるんです。
でもこの家にある在庫が全部切れたらどうしよう…?(´・ω・`)

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コメント

ネームの発生は手塚治虫からだと聞いたことがあります。
時間の必要な写植部分だけを先に渡すことで、締め切りのを延ばす目的であったとかなんとか・・・。
内容の打ち合わせに使われるようになったのは後になってからのようです。

出典は忘れたので細部は不正確です。

投稿: よしまつ | 2008年5月21日 (水) 10時40分

>よしまつさん
あ、やっぱり手塚治虫でしたか。
「〆切を守らない漫画家」ってあたりで
そうじゃないかなあとは思ってたんですが(笑)。
あながち自分の想像も間違ってなかったみたいですね。

投稿: 海野螢 | 2008年5月22日 (木) 04時45分

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