句読点の不思議
色々と落ち着いたので4月6日の話題に関連して。
http://unnoya.moe-nifty.com/hotaru/2007/04/post_1980.html
ここでも書きましたが、現在殆どの漫画雑誌に於いて
ネームで句読点はほぼ使用されていません。
ウチにある本で確認したところ、小学館以外では
あさりさんの『まんがサイエンス』(学研)で使われてたくらい。
(『まんがサイエンス』は横書きなので「、」ではなく「,」ですが)
昔っから不思議なんですが、どうして漫画業界じゃ
句読点を使おうとしないんですかねえ?
まず読点は、言葉のリズムを作る機能以上に、
それがないと文脈の意味まで変わっちゃう場合もありますよね。
有名な例だと
「僕は父と、母の所へ行った」
「僕は、父と母の所へ行った」
みたいな。
あと細かいニュアンスを表すのに自分はよく使ってます。
例えば「僕は君が好きだ」という台詞も、改行と併用して
「僕は、
君が、
好きだ。」
と表記する事で心情まで強調されますよね。
これが改行だけの
「僕は
君が
好きだ」
だと、またニュアンスが変わってきちゃいます。
そして句点。
これは読点以上に重要だと思うんですが、
漫画の場合、句点がないせいで一つのフキダシの中に
二つ以上の文章を入れづらくなってます。
特に『美味しんぼ』みたいなウンチク漫画の場合
どうしてもネームが多くなるパターンが多いですし、
やはり句点はあるに越した事はないと思うんですが。
また、逆のパターンでは、一つの文章を二つ以上のフキダシに
またがって続けづらいってのもありますね。
漫画家始める前から、長い事出版業界で働いてきましたが、
どうして漫画業界のみ例外的に句読点を使おうとしないのか、
ホント不思議でなりません。
っていうかせっかく使える便利な道具があるのに
わざわざ封印する意味が判らないですよ。謎ですな。
ところであれからちょっと気になって各社の表記について
調べたんですが、講談社が三点リーダー(…)二個セットってのは
どうやらアフタヌーン系だけみたいですね。
なかよし系だと特に二個セットにはこだわってないみたいですし、
マガジン系だと三点ではなく二点リーダー(‥)使ってて、
こちらも数に制限はないようです。
ただ二点リーダー一個とかいう使い方見ると
バランスとしてどうなんだろう‥とか思っちゃいますが‥(笑)。
集英社は、句読点を使わない以外には
「!!!!!!!!」に代表されるように、特にこだわりはないようですね。
桂正和さんとか、句読点が使えない代わりなのか
文中にナカグロ(・)を使ってたりしてましたよ。
あと小学館の句読点ですが、語尾に三点リーダーが付くと
句点はなくなる決まりのようです。
青山剛昌さんなんかは語尾の句点が嫌いみたいで、
「!」や「?」以外の全ての語尾に
三点リーダーを付けていますね…
ちなみに小学館の表記は、『究極超人あ~る』の名台詞、
「やあ。」を生み出したりもしてます。
ところで自分は書いた通り、句読点は使いたい派なんですが
ただ一つ、使わない箇所があります。
それは……あえぎ声(笑)。
エロシーン描いてて、細かい吐息なんかの「は」とか「あ」とかが
「は。」とか「あ。」とかになっちゃうともうギャグでしかない(笑)。
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コメント
通りすがりですけど個人的な意見を述べさせてもらうなら、漫画の台詞は「文」ではなくて「声」だからではないかなと。小説なんかでは全てが文として表現されているのに対して、漫画はそういった制約を設けていないんじゃないか…なんて思います。
長文失礼しました。
投稿: 通りすがり | 2007年4月15日 (日) 14時59分
出版社の判断……なのでしょうか?
作家さんのこだわりもかなり通じるような気もします。
たとえば吉田戦車先生は句読点を使われていますし、あと少し違いますけど、『湾岸ミッドナイト』の楠みちはる先生は吹き出しの中に(笑)と入れたりしておられます。
投稿: Rn | 2007年4月15日 (日) 18時08分
はじめまして。
通りすがりなんですが、私もまったく同じ疑問を持っているので…というか、その事を検索していて
このページにたどり着いたので書かせていただきます。
私は、さいきん句読点を絶対に使わない編集さんに何人かお会いしました。
フキダシの中だけではなく、
地の文(?)ナレーションとかにも使いません。
例えば…「僕は、父と母に会いに行った。だけど会うことはできなかった。」という文章でも一切句読点は使われません「。」さえもです。
おかしいですよね~。
長文失礼しました。
投稿: 流星光 | 2007年4月15日 (日) 22時32分
>通りすがりさん
むしろ自分の場合、声だからこそ
細かいニュアンス等を伝える為に、句読点は元より
「!」も「?」も「…」も、それこそ「♪」や「☆」まで、
使える役物は全て使いたいんですよね。
>Rnさん
編集さん次第では、使わせてもらえる場合もありますよね。
自分も『めもり星人』や『時計じかけのシズク』なんかでは
単行本の時に使わせてくれましたし。
ところで吉田戦車さんに句読点があるのは
小学館だからではないでしょうか?
他の会社で描いた時でもあるんでしょうか。
(笑)くらいは、役物じゃないんで
書けば使ってくれると思いますが。
>流星光さん
おお、同業者さんですか。
やはり不思議ですよねえ。
句読点使えるだけで表現の幅がかなり拡がるんですけどねえ。
意味のない決まりを作って幅を狭めてしまうのは
ホントもったいないですよね。
選択の余地があれば、使いたい人だけ使えばいいし、
使いたくない人は今までのまま表記すればいいだけですし。
投稿: 海野螢 | 2007年4月15日 (日) 23時05分
漫画は、絵で表現できるし、
そもそも「ふきだし」が句読点の代わりになってるので必要ないのでは。
ふきだしの形で感情を表現できるし、ふきだしやコマ割で、セリフの区切りを表現することができるからです。
小学館が句読点を使っているのは「小学1年生」に掲載した漫画に句読点を使用していた名残りです。
小学館から分離した集英社や白泉社は基本的に漫画のセリフに句読点を用いません。
投稿: とおりすがりのものです | 2007年6月24日 (日) 13時14分